2014.12.31

12月30日の夜。たった今、BSの『名盤ドキュメント はっぴいえんど「風街ろまん」』を見終わった。僕にとってはこの一年の最後を締めくくるにふさわしい内容だった。やはり年末はなにか締めくくるという行為が大事なのだろう。ならば重い腰を上げてこのブログも一年を締めくくろうと思う。

振り返ってみると、今年は苦難に満ちた一年だった。まず年明け早々、敬愛する音楽家の訃報に接し果てしなく気分が落ち込んだ。同時代を生きてると信じてた人がこの世に別れを告げる。いるのがあたりまえと思ってた人が突然いなくなる。 僕もそういう年齢になったということなのだろうが、容易には受け入れがたいものだった。

会社のことも順風満帆とは言えなかった。会社は社会的な存在だから世の中の変化や浮き沈みの影響をまともに受ける。形あるものはいつか壊れる。去る者を追うことはできない。でも築き上げたものを台無しにするか、あとで笑って振り返られるかは心の持ち方次第だ。なんとか笑って振り返りたいと願い、うんうんともがき続けた一年だった。

春が過ぎ、夏が終わり、心のざわつきは突如、圧倒的な力で決壊した。10月6日、関東全域が豪雨にさらされた日の夜、僕たちの地下オフィスが床上浸水してしまったのだ。「地下オフィス」と言っても地上のオフィスしか無いのだから全部が水浸しになったということだ。あとでわかったことだが建築上の難があり、床下に設けられた10センチほどの空間に雨水がたまり続け、ついに溢れ出たという説明を受けた。床上浸水はわずか数ミリ程度だったが、その下に水が溜まったままなのだから元の状態にするのは相当大変だとすぐにわかった。

それから約一ヶ月はひどい環境で仕事するはめになった。オフィスの半分の床部分の土台と壁面をはがし、残る半分のせまいスペースに移動し働かなくてはならない。そして半分が終わったら別の半分へまた移動。工事の期間中、社員の士気がどんどん下がっていくのがわかった。そりゃあそうだ。うるさいし臭いし仕事に集中することができない。ずっとPCに向かっているから逃げ場もない。最後まで皆本当によく耐え忍んだものだ。

本当にひどい災難がつづくものだと思った。だけど明けない夜はない。僕は「正負の法則」というものを体験的に信じている。いい時があればわるい時もある。

そう、一方で、今年は創業以来の嬉しいできごとがあった。社員の個人的なことだが、モーグの一員であるS田とHヤシが床上浸水の工事もかなり進んだ頃、晴れて夫婦になったのだ。僕たちの会社で出会ってお互いを人生の伴侶として選んだ。交際は数年間完全極秘で行われていたので本当に驚いた(その間、S田とは何度もサシで飲んだのに!)。でもこんなサプライズなら大歓迎だ。こんなに嬉しいことは初めてだった。

さらに二人の結婚以来、頭を悩ませていたあれこれがゆっくりと解決していった。いくつかのクリティカルな問題が次第に良い方向へと向かっている。もちろん床上浸水の工事も無事に終わった。

いいこととわるいことを繰り返すのが人生。でも苦しい時もありのままを受け入れ、苦しさを全うしたいと最近思うようになった。逃げ出さず歩き続けるといつか突破口を見つけられることがある。

今年最後の出勤日となった昨日はオフィスのフローリングを心をこめて磨いた。さすがに同じ災難に遭うのだけは勘弁だから、おまじないみたいなもの。さらに年明けの初詣はいつもに増してしっかりお参りしなければ…と神頼みも忘れない。

(廣島)

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仕事納めの日、最後の仕事は年賀状書き。